CLOVER925ブログ

2020年04月14日
【お客様とのエピソード「大切なお財布」】

春になると、あるお客さまとのエピソードを思い出します。何年か前、金曜日の夕方過ぎに50〜60代くらいの女性のお客様がご来店しました。「まだ営業してますか?お財布の修理お願いできますか?」と聞かれ、その頃はちょうど簡単な革製品の修理やレザークラフトワークショップを店頭でできるように準備していた頃だったので、とりあえずそのお財布を見せてもらいました。 恥ずかしそうに差し出されたお財布は、お世辞にも綺麗なお財布とは言えない使い込まれたお財布でした。よくあるタイプの婦人物の二つ折りのお財布。折り畳んだときに「パチン」と留まるはずのボタンが留まりません。自分・・・「メス側のボタンのピンが折れちゃってるな。。」お客様にはボタンの交換が必要なことを伝えました。*画像は似たような修理をしたお財布で、このエピソードに出てきたお客様のお財布ではありません。 そして、修理の内容を説明して、買い替えなども含めどうするか、お客様に聞こうと思いました。 ・・・が止めました。 自分・・・「買い替えも考えているなら、わざわざ恥ずかしそうに持ってきたりしないよな。。」自分・・・「遅い時間にわざわざ来て、今すぐ直したい理由があるんだろうなぁ。。」 修理にかかる金額だけ確認をしていただいて、すぐにボタンの交換をしました。 自分・・・「お待たせしました、ばっちり直りましたよ!」この時のお客様の安心した表情がとても印象的でした。 お会計のあと、お客様から申し訳なさそうに「こんなボロボロで恥ずかしいから本当は新しいお財布を買った方がいいんだろうけど、このお財布は娘に買ってもらったんです。」「明日、その娘と旅行に行くんです。急なお願いでごめんなさいね、ありがとうございました。」と。 日常的にごく普通ありそうなシーンですが、お客様のとる行動や言葉には全て意味があることを実感したできごとでした。 いつかのお客様、こちらこそありがとうございましたm(__)m       

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